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コラム

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「方丈記」のメモ書き

2014/02/11
父の存命中は、何となく開けにくかった小箱を、
亡くなった翌日、開いてみました。
自分の生い立ちや、空襲で燃えた家系図を自分で辿ったもの、
先祖の生き様が記されたノート、関連文献など入ってます。
ノートの最後には・・・祖父母の写真が一枚出て来ました。

そんな中に、父の筆跡で「方丈記」冒頭部分の書き写しがありました。

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
淀みに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。
世の中にある人と、すみかとまたかくのごとし」

「春は藤波を見る。紫雲のごとくして、西方ににほふ。
夏はほととぎすを聞く。かたらふごとしに死出の山路を契る。
秋はひぐらしの声、耳に満てり。うつせみの世を悲しむほどに聞こゆ。
冬は、雪をあはれぶ。積もり消ゆるさま、罪障にたとへつべし」

晩年、鴨長明「方丈記」のような暮らしに憧れていた父。
ノート切れ端の写し書きに、その思いを垣間見た気がしました。
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